「苗半作。苗の出来によって作柄の半分が決まる」。この思いから元気に苗が育つように、作物ごとに丁寧に種まきをする。今回はキュウリ。品種は有機農法などで使われている「バテシラズ3号」だ。もみ殻燻炭、ぼかし肥料を混ぜた腐葉土を育苗箱に8分目ほどまで入れ板で平らにして、つけた溝に種をまいていく。バラバラではなく、一列に同じ向きに並べていくのは、発芽して二葉になった時に、ポットに移し替える鉢上げ作業もやりやすくなるからだ。また、隣の葉と重なり合って成長を妨げないように管理できて、苗は元気に育つ。種まき後は、土が種に密着するように鎮圧することも大切な作業。そうすることで水分も蒸発しにくくなる。この育苗箱をハウス内の踏み込み温床に置いて温度管理すると、2、3日で発芽する。「苗は微生物の力を借りながら、健康に育つ」
動画と文=福本卓郎
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